2005.11.21 Monday
阪神・井川投手問題〜一度クリアしたゲームをもう一度やらされる苦痛
サンスポより。
◆田宮氏が井川に喝!メジャー行ったってムダ、バカヤローになる
「義務を果たさずに権利だけを主張するのはおかしい。それでは人間的価値がない。古いと思われても犠牲してからの権利。その前に権利を主張しちゃいけない」
人間的価値がない…。まさに、その通り。ファンの思いを代弁する形で、田宮節が続いた。
ファン全体の意見としてサンスポは書いていますが、僕は井川投手に対して「人間的価値がない」なんて決して思っちゃいませんけど。
それはさすがに言いすぎでしょう。
なんだか最近多いなぁ、「ファンの思い」を勝手に代弁する迷惑な人たちが。
井川投手のポスティング要求問題については去年から今年の頭にかけてさんざん言ってきたので積極的には言及しません。
ですが、今思うことを。
僕は03年に優勝を果たしてからの井川投手を見るたびに、こう思うのです。
「なんか、一度クリアしたゲームをもう一度やらされている感じがする」
井川投手がオタク気質でゲームの世界にも精通しているということがあってか、余計にそう思えるのです。
再び田宮氏の発言を引用させていただきます。
誰もが“日本の野球は卒業した”と思う結果を残せ。その条件としてノルマを課した。「(防御率)1点台とタイガースが優勝した時に、沢村賞、最優秀防御率などを獲ればOB達も納得して、いばっていけるじゃないか」
おそらく井川投手に言わせれば、「03年にMVP、沢村賞、最多勝、最優勝防御率、ベストナインの5冠を達成したのに、なにを今さら…」という思いでしょう。
こればっかりは田宮氏のように「いやいや、まだまだゲームクリアなんていわせないぞ」と周囲が叫んだところで無意味。もしくは逆効果です。
周囲の常識や価値観なんて、オタクには関係ないのだから。
とにかく井川投手は、この「日本プロ野球」というゲームソフトで味わえる“胸のドキドキ”の上限を幸か不幸か知ってしまった。
だからもっと手ごたえのあるソフトで遊びたい。
それだけなんです。
だから胴上げだって、無理には参加しなかった。
本音を言えば、めんどうだった。
だってこの“エンディング”は、すでに二年前に見たものだったから。
協調性に欠ける孤独なオタク人間にとって、今プレイしているゲームの面白さは人生の面白さに直結してしまいます。
分厚いガラスケースの中に飾られた、メジャーという名の新作ゲーム。
「うちはうち、よそはよそ」という親の一言で買ってもらえない悔しさは、誰もが子どものときに体験したことがあるはず。
「ベースボールゲームの熱狂的信者」
ある種の皮肉とある種の尊敬を込めて、井川投手をそう呼んでも良いでしょう。
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